非日常の世界へようこそ

クルーズ船、いわゆる豪華客船で鍼灸師として働くMITSによるブログ。船のことについて自由気ままに書いていきます。それが役に立つ情報なのか役に立たない情報なのかは受け取る人次第。このブログでは誰が何と言おうが自分が書きたいことだけを書いて行くブログですので過度な期待はしないでください。

豪華客船での鍼灸師の仕事の流れ 〜コントラクト編〜

客船での仕事は大体どの船でもやる事は同じです。小さな違いはあれど日々の流れはあまり変わりません。


しかし、7ヵ月も同じ船に乗っていれば、

航路が変わり、スパのメンバーが変わり、スパ以外のクルーの顔触れも大きく変わります。
船に乗った時と降りる時ではクルーが9割方変わっていて、同じ船でも違う場所に居るような感覚に陥ります。

 
個人がこなす仕事は変わりませんが、

契約が進む中で仕事に影響を与える環境は絶えず変わります。


今回の記事では契約が進むにつれてどう行った事が鍼灸師の仕事に影響を与えるのか、1コントラクトの中でどういった変化が起こりうるのかについて書いて行きます。

 

 

  


・乗船から最初の2ヵ月間

この時期はまずスパの同僚との仲を深めて行く時期です。特にマネージャーの信頼を得られるかどうかで仕事のしやすさが大きく変わります。また、船の乗客の傾向を掴むためさまざまなチャレンジを行う期間でもあり、仕事の結果に波が出やすい時期でもあります。

ここで船の傾向を掴み、スパの同僚の信用を得ることが出来れば後々の仕事がしやすくなります。


また、スパ以外のデパートメントのマネージャーや特にクルーズディレクター、HGM(ホテルジェネラルマネージャー)とCSD(クルーズセールスディレクター)と仲良くなり顔を覚えてもらうと船での仕事のしやすさが大きく変わります。

キャプテンやスタッフキャプテン(船でキャプテンに次ぐポジション)とも仲良くなれればベストと言えます。

仕事のプロモーションで言えばクルーズディレクターとの関係性が1番大きな影響を与えます。

 

 

 

・乗船後3-5ヵ月

この時期は比較的安定期言えます。

同じ航路を繰り返す船が多い為、日々のルーティーンが作りやすく、何が起きるか予測しやすい為、始めの2ヵ月で基盤を作れていれば安定期した業績を出す事が出来ると思います。


しかし、時にこのタイミングでスパマネージャーが変わったり、仲が良い同僚が契約を終え船を降りる事もあるのでそうするとまたスパの人間関係の形成をしなければならない事もあります。


船では大きく分けて年に2度大量にクルーメンバーが変わる時期があります。そのタイミングがこの時期に重なるとHGMやCSDが変わり、船での人間関係をまた1から作り直さなければなりません。しかし、実際の所スパ以外の人間関係はそれほど大きく鍼灸師の仕事には関係しませんのでスパ内の地位を築き上げておけば仕事は安定するでしょう。

 

 

・乗船後6-7カ月、下船まで

この時期はモチベーションを保つのが難しくなる時期です。仕事が忙しい船だと肉体的な疲れがピークに達します。

忙しくない船だと考える時間がありすぎる為、精神的な疲れがピークに達する時期となります。


ここでどれだけ踏ん張れるかが大切なのですが、

ほとんどの鍼灸師はここでバケーションに心が行ってしまい、仕事へのモチベーションが低下し業績が下がります。


また、6ヵ月船に乗っていればおそらくその間に船の航路が変わって居る為、最初の時とは客層や止まる港が変わっている事でしょう。

その変化に対応出来ず仕事が上手く行かなくなる場合もあれば逆に好転して忙しくなる事もあります。こればかりはどの船に乗るかといつ船に乗るかが関係して来ますので最初のコントラクトでは自分でコントロールする事が出来ません。

 

2度目の契約に行く事考えている人は大体この時期か、もう少し早い段階でボスに次の船の契約の話を始めます。
豪華客船は、完全ビジネスの環境なのでこの時期の売り上げによって次回どんな船に乗れるかが変わって来ます。
良い環境の船に乗るには、ボスに認められる必要がありますので5-7ヵ月の時期は大変ですが頑張りどころでもあります。

 

 


おわりに


船の環境は乗る船によって、客層によって、クルーズラインによって大きく変わります。

航路によって忙しい船と暇な船の差が出ます。

どの船に乗るかによってある程度出せる売り上げのポテンシャルが左右されます。

もちろんどんな船でもセールストークとビジネススキルがあれば売り上げを出す事が出来ます。

しかし、環境を整える事と良い環境を得ることは自分のスキルを磨く事と同様に大切です。

ビジネス一辺倒になり治療家としての本分である患者さまを助けること、「医は仁術なり」という思想を忘れてしまった鍼灸師が豪華客船には居る事も確かです。

 


完全ビジネスの環境ではありますが、

僕は売り上げが全てだと思っていませんし、むしろ売り上げはあまり気にしていません。それよりも豪華客船という環境で自分が何をし何を感じるかが大切だと考えています。

ビジネスを学びつつ、鍼灸師として医療者としての心を忘れずに豪華客船で活躍する日本人鍼灸師が増えてくれたらなと思っています。

 


前回記事 クルーズ編と合わせて大体の船での鍼師の仕事の流れが分かったかと思います。

 

shipacu.hatenablog.com

 


今後船に乗る人はその流れの中で自分ならどうして行くのかをあらかじめ考えて船に乗ると後々楽でしょう。
1人でも多くの日本人鍼灸師が豪華客船という部隊にチャレンジをして成功する事を願っています。

 

 

MITS


豪華客船以外の事は別のブログで書いてます。

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豪華客船での鍼灸師の仕事の流れ ~クルーズ編~

 

豪華客船で働いていると言うと多くの人は、船に乗っている間、僕の契約は7ヶ月なので7ヶ月の間乗客が変わらないとイメージする方が多いです。


しかし、7ヶ月の間全く同じ乗客が乗っているクルーズはまずありません。

長く乗客が乗るクルーズはあったとしても世界1周をするワールドクルーズか南米クルーズくらいです。

(ワールドクルーズは大体140日くらいなのでそれでも4ヶ月ちょっと。南米クルーズは大体60日程です。)

 

 

殆どのクルーズは1週間以内、もしくは2週間以内の長さになります。

クルーズ会社によってショートクルーズが多いのか、

ロングクルーズが多いかの傾向があります。


僕が前回乗っていたプリンセスクルーズは客層の平均年齢が高い為、10-15日間くらいのクルーズが多いです。

逆に、僕は乗った事がないのですが、パーティークルーズと言われているカーニバルクルーズは、乗客の年齢層が低い為、4-7日間程のショートクルーズが多いです。もちろんクルーズ日数は航路によって変わりますので、

同じクルーズ会社でもすべての船が同じ航海日数になるわけではありません。

 

 


つまり、何が言いたいかと言うと

クルーズに乗っているゲストは1ー2週間毎に入れ替わります。

なので、豪華客船のクルーの生活は、長いスパンの1契約、短いスパンの1クルーズで分ける事が出来ます。

 


今回は短いスパンのお話。

 

 

 

 


1クルーズは、大きく3つに分けることが出来ます。

・Embarkation day(乗船日)

・Sea day(一日中海の上にいる日)

・Port day (港街に止まる日)

 

 

 

・Embarkation day

Embarkation dayは、新しい乗客が乗って来る日なので船内が1番綺麗でクルーが1番気合を入れる日、入れるべき日になります。クルーのメイクや服装からもそれが判断出来ます。


僕が働いている職場、スパでもそれは同じでこの日が1番みな身だしなみに気をつけてバッチリメイクで仕事に来ます。

Embarkation dayは、スパにとってはショーケース的な日でスパツアーなどを行い、船内のスパがどんな場所でスパではどんなサービスを提供しているのかをプロモーションする日です。

この日の出来がクルーズ全体がどうなるのかを大きく左右しますので、

マネージャーは特にこの日に力を入れています。


鍼灸師にとっても同じく大切な日ではありますが、

船によってはこの日はそんなに重要ではない事もあります。僕が前回乗っていたアイランドプリンセスはそういう船だったので僕はこの日はプロモーションをしてAcupunctureをプッシュすることはあまりしていませんでした。

しかし、中にはこの日に顧客がGet出来なければクルーズ中に顧客をGetするのが難しくて全く売り上げを出す事が出来ない船もあります。

僕が3度目の契約で乗っていた船がそんな感じの船だったので、Embarkation dayはいつも勝負の日で気合を入れてスパツアーにのぞんでいました。

 


鍼治療自体はこの日に多くする事はあまりありません。

僕の場合は大体2-3件、多くても5件という感じです。

大体はFree Consultatioの予約を取り、15分のコンサルテーションで翌日以降の治療予約を取ります。

この日の仕事の時間は、大体12時から21時くらいまでで、途中に1時間程の食事休憩が入ります。

 

 

 

・Sea day

Sea dayは、鍼師にとって1番忙しい日。スパにとっても1番忙しい日で1番売り上げを出さなければいけない日です。

クルーズの長さと船の大きさによってクルーズターゲットは大きく変わりますが、

7daysクルーズであれば、マネージャーから鍼師に求められる最初のSea dayの売り上げは約$3000-$5000ほどになります。売り上げがあまり見込めない船や初めて船に乗る鍼師への期待値は低くなりますので、初めのうちは$2000くらいが目標になるかと思います。


この日の仕事の流れは、

朝7:30からミーティング

8:00から治療・コンサルなどをスタート(スパの営業開始)

午前中に15-30分ほどのセミナーを1回行う(大体10-11時くらいに行う)

午後にセミナーをもう一度行う(大体14-16時の間に行う)

セミナーの間はひたすら治療かコンサルを行う

夜18:30以降、予約が無くなり次第夕食へ

夕食後の予約が入っていなければトリートメントルームの片付けとレポートをボスに送り次第業務終了


という感じです。

 

 

僕は治療をする際に自分の感覚が鈍る原因となる満腹感を感じたくないので、昼食を食べません。なので昼休憩をほぼ取らずに仕事を続けます。

そしてすべてが終わった後にゆっくりとご飯を食べるという生活を船では送っています。

他人にはおすすめしませんが、僕はこの方法が合っているように感じています。


このSea dayがクルーズの中で1番忙しい日で、多い日は1日に15-20治療ほど行います

あまり忙しくない日だと10治療を下回ることもありますが、僕の場合平均すると12-13治療くらいかと思います。

(船に乗れば毎回このようになるわけではなく、個人のセールスマネジメント能力によってどれだけ売り上げるか1日に何人治療するかは大きく変わります。)

 

このSea dayの仕事時間は、スパメンバーは基本的に12時間ですが、

鍼師は20時を過ぎると大体みな仕事を終え帰ってしまうので、大体10時間くらいかと。

(鍼師とメディスパドクターは自分で仕事のスケジュールを組める為、20時を過ぎれば仕事を終える事が出来ます。僕は暇な日は19時には仕事を終えてジムにトレーニングしに行ったりしてます。)

 

 

 

・Port day

Port dayは、クルーにとってはリフレッシュの日です。
毎日違う港街に着く豪華客船では仕事をしながら旅をする事が出来ます。

港に船が着く日は大体朝から夕方まで港に停泊していることが多く、

その時間は船から降りて街へ行く事が出来ます。


街で何が出来るのか、港にどんなアクティビティーがあるのかはどの国のどこへ行くのかによって大きく変わって来ますが、さまざまな楽しみがあります。

綺麗なビーチが多いカリブ海の港街ではビーチに行くことが多いですし、

自然豊かなアラスカの港では僕は山へトレイルを登りに行ったり、レストランで美味しいご飯を楽しんだり、WiFiを使いにカフェに行ったりしてます。

 

この日の仕事は、大体夕方から、もしくは朝のみという形で、

仕事時間は4-5時間くらいの場合が多いです

港に滞在する時間が短い、Half Sea dayの場合は、船が出港してからがっつり働き8-9時間労働になることもあります。

あまりありませんが、たまに1日オフに出来る日もあります。


アラスカでの7daysクルーズの場合は忙し過ぎて丸一日休みを作ることは出来なかったですが、

パナマ運河を航海する15daysクルーズの時は1クルーズに1-2回ほど丸一日休みを作ることが出来ました。

 

 

 

 


1回のクルーズは、これらの3種類の日が組み合わさっています。

 


例:7daysクルーズ  アラスカクルーズ

Embarkation day - Sea day - Port day - Port day -Port day - Sea day - Sea day


例:5daysクルーズ  カリブ海クルーズ

Embarkation day - Sea day - Port day - Port day - Sea day


例:10daysクルーズ  ヨーロッパ(地中海)クルーズ

Embarkation day - Sea day - Port day - Port day - Port day - Port day - Port day - Port day - Port day - Port day


例:15daysクルーズ  パナマ運河クルーズ

Embarkation day - Sea day - Sea day - Sea day - Port day - Port day - Sea day - Port day - Port day - Sea day - crossing Panama Canal (Sea day) - Port day - Port day - Sea day - Sea day 

 


これらのようにクルーズは何日間クルーズなのかによって、

またどの航路なのかによってSea dayとport dayの割合が変わります。

 

 

 


鍼師にとって忙しいのは最初のSea dayと2回目のSea dayです。

逆に言えばこの日を忙しく出来ないと売り上げを上げる事が出来ません。

Port dayは基本的にリラックスする日です。もちろん多少仕事をしますが、スパ自体も忙しくない日ですので、仕事に行ってもSea dayのような忙しい雰囲気はありません。

 


鍼師の契約は、1週間に52時間働くとなっています。

忙しい船に乗れば52時間以上働くことになりますが、

給料は歩合制なので働いた分給料を得る事が出来ます。

船はクルーズ毎に乗客が変わります。

なので毎回ゼロからのスタートを繰り返します。

毎度チャレンジをしなければならない環境です。

 


7ヶ月という契約期間の間、短いクルーズを何度も繰り返します。

同じ職場で常に環境が変わり続けるのが豪華客船という職場なので、

良いクルーズもあれば悪いクルーズの場合もあります。

その中で安定した結果をどれだけ残せるのかが1つのチャレンジであり、

会社から評価される基準ともなります。

船で安定して結果を残せるようになれば、きっとその先どこで働くことになっても同じように結果を出して行けるようになると思います。

チャレンジを積み重ねた先に成功が待っていますよ。

 

 

よく働き、よく遊ぶ環境が豪華客船という職場です。


今後の記事では、クルーが船で働いてる際に出来る“遊び”について、

クルーの生活のことも書いていこうと思います。
お楽しみに!

 

MITS

 

つづき

shipacu.hatenablog.com

 

 

 

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僕が豪華客船で働いて学んだ7つのこと

船上での生活も4年以上が経ち、船上鍼灸師としては中堅からベテランの域に片足をつっこむ立場まで来ました。

 


そんな僕が豪華客船で学んだ事をまとめておこうと思います。

 

 


1. 治療家は忙しくなり過ぎると心が廃れて行き治療効果が下がる。

 

豪華客船とはビジネスの職場です。

治療効果だけに重点を置いて仕事をすることはなかなか難しいです。

毎月、毎クルーズ売上のターゲットを渡され、毎月ニュースレターで売上のランキングが発表され、売上が低いとどれだけ良い治療を行っていたとしても認められません。

そうなると自ずと売上を上げる為に必要な事を学び実践して行きます。

しかし、業績が上がり忙しくなり過ぎると治療家としての本分を忘れお金を稼ぐことだけに終始してしまう可能性が出てきます。

事実、売上が物凄く良い鍼灸師の中にはゲストからのクレームが多い方が居ます。

中にはクレームが多すぎてクビになった鍼灸師や再雇用されなかった鍼灸師もいます。

僕も忙し過ぎる時には患者さんへの対応に十分な時間が取れずもどかしい思いをしていた時期もありました。今ではバランスを考え、患者さんと100%向き合えないような予約の入れ方はしないようにしています。

 

 

 

2. 同僚との関係を良くする為にはパーティーやバーに一緒に行く事が1番手っ取り早い。

 

船での生活を快適に過ごす為に1番重要だと言っても過言でないのが同僚との関係。

特にマネージャーやシニアセラピストとの良好な関係抜きでスパで快適な生活を送ることは出来ません。

彼ら彼女らとの関係を良くする小技みたいなものはいくつかありますが、

何だかんだ1番手っ取り早いのが一緒にお酒を飲み、パーティーに行き、共に時間を過ごす事です。

お酒の力は時に距離を一気に縮めます。

話をするのが苦手でも構いません。

何故なら面白い話をする必要などないからです。

特に喋らずとも一緒に過ごしてウンウン言いながら相槌を打ちながら話を聞いておけばOKです。

スパの子の中には必ずおしゃべりな子が居ます。

1人2人ではありません。

半数くらいがおしゃべりだったりします。

興味のない話を延々と聞かされるのは飽きますが、たまには付き合って話を聞き流す事で同僚と良好な関係を築くことが出来ます。

僕の場合は笑顔で微笑みながら8割方話を聞き流しています(笑)

この方法の良い点は1度良好な関係を築ければその後毎回話に付き合う必要は無い点です。

船に乗ってからの数週間は努力が必要ですが、その後は好きに生活して行って問題ありません。

これが僕の船での処世術です

 

 

 

3. 人間には4つのタイプが居て、タイプによって有効なアプローチの仕方が違う。

 

考えてみれば当たり前なことかもしれませんが、人は皆違います。

しかし、大きく4つのタイプに分ける事が出来ます。

僕が働いているスタイナー社では定期的にこの4つのタイプの見分け方とアプローチの仕方について学ぶ機会があります。

経験上1度の契約期間の間に1、2回マネージャーからこのトレーニングを受けて来ました。

これはセールスビジネスの考えから作られたものですが、

鍼灸師などの治療家が患者さんにアプローチするのにも応用が出来ます。

社内秘というわけでは無いとは思いますが詳細は省略させて頂きます。

もしかしたらその内記事にしてまとめるかもしれません。

 

 

 

4. 人生には波があり、どれだけ足掻いても結果が出ない時が必ずある。

 

たとえ毎クルーズ同じアプローチを行なっていても結果が出る時と出ない時があります。

それはある程度自分自身の努力で補うことが出来ますが、

たまにどうしようもない時があります。

必要最大限のことをやる努力をすることは大切ですが、

やれるだけの事をやったら割り切ることも必要です。

ダメな時は何をやってもダメだったりします。

そう言う時は改善点を見極め、

次のクルーズに活かせるようにします。

会社のボスもシーズンによって波がある事を理解しています。

もし今回のクルーズがダメでも次回にそれを補う結果を出すことが出来れば認めてもらい信頼してもらう事が出来ます。

また割り切る事が出来れば過度なストレスを溜めず、

次回への対策を考える事でポジティブな状態で新しいクルーズを迎える事が出来ます。

仕事の売上は自分の気持ちによって左右される事が多いです。

特にスパのようにゲストと直接接する仕事では自分の心の持ちようがとても大切です。

 

 

 

5. 鍼灸治療は何をするかは確かに大事だがそれ以上に大事なのは誰がやるかということ。

 

4年以上豪華客船で働いて来た経験からたどり着いた結論です。

鍼灸治療においては、

治療の際に何をするかよりも誰が治療をするのかによって患者さんの満足度や治療結果に大きな違いが出ます。

これは僕だけの意見ではなく、

豪華客船で10年以上メディスパドクターとして働いて来た医師歴30年を超えるドクターも賛同している意見です。

人間性無しに鍼灸師は務まらない。

というのが僕の持論です。

今まではどうだったか知りませんが、

特にこれからの時代、

人間性が備わっていない治療家や医師は淘汰される時代がやって来るでしょう。

成功する者とそうでない者の差は人間性にある。という事を忘れずに。

 

 

 

6. 成功とはどれだけ稼いだかでは計られない。

 

先にもあげましたが、

豪華客船はどれだけ売り上げたかによって評価される職場です。

しかし、成功したかどうかはどれだけ稼いだかによって計られるわけではないように思います。

毎月のようにバンバン稼いでいる鍼灸師の評価が以前一緒に働いていたスパの子達からの評判は良くないなんて事は結構あります。

人生における成功の内容は人によって違うと思いますが、

良い契約を送った、満足の行く7ヶ月間を過ごしたと言える成功の評価は結局は最終日にどんな気持ちで船を降りる事が出来るか次第だと僕は思います。

どれだけ稼いだって惨めな気持ちで船を降りるのであればそれは成功とは言えないだろうし、

逆に言えばお金をたくさん稼げなかったとしても職場の同僚皆から愛されて清々しい気持ちで船を降りる事が出来ればそれは成功と呼べるのではないでしょうか。

人生も同じです。

最後死ぬときに良い人生だったと笑って死ねればそれは間違いなく成功と呼べる人生でしょう。

 

 

 

7. 親しい関係は共に過ごした時間の長さよりどれだけ濃い時間を過ごしたかによって作られる。

 

ボーイフレンドとガールフレンドと言った恋愛関係だけではなく、

豪華客船で出来た友達は本当の家族のような深い関係になる事がとても多いです。

毎日同じ職場で働き、

毎日同じ食堂でご飯を食べ、

隣り合う部屋で暮らし、

バーへ共に行ったり、

港で一緒に出掛けるという生活を数ヶ月続けて居れば自ずと親密な関係を築き上げて行くことになります。

鍼灸師は個室で生活し、

部屋は他のスパの同僚と離れている為、

この限りではない方も中には居るみたいですが、

人付き合いが上手く、

チームで働くことに慣れている方は間違いなく一生の付き合いとなる友達を船で得ることが出来ます。

それは数ヶ月の付き合いでも陸で生活する何倍も濃い時間を過ごしているからです。

船の1年は陸地での10年に相当するなんて意見がクルーの中にはあったりします。

これは豪華客船で実際に働いてみないと理解し難い事かもしれません。

たとえ数ヶ月しか一緒に過ごして居なくても2年3年と会っていなくても再会する事があれば昨日まで一緒に過ごしていたかのような関係に戻り、

たとえ連絡を頻繁に取り合っていなくてもお互いの事を想い続ける関係を得ることが出来るのが豪華客船という生活環境です。

しかしこれは船だけではなく、

どんな場所でも起こり得る事だと僕は考えています。

実際に世界を旅している時に会った友達で現在も親交がある方も居ます。

どれだけ濃い時間を共に過ごせるかが親しい交友関係を作るカギでしょう。

 

 

 

 

 

 

 


まだまだ船の生活で学んだ事はたくさんありますが、

今回はここまで。

 

 

そのうちパート2の記事を書き上げようと思ってます。


MITS

 

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なぜ人は船酔いになるのか。メカニズムを考察してみる

船上鍼灸師として船で働き始めてから4年が経ちました。

船の上で1000人以上の患者さんを診て、200以上の疾患や症状を治療してきた経験から、
今日はその中でも特殊な疾患とも言える”船酔い”について、
自分の経験を基にした考察をご紹介していきます。

これから船に乗る鍼灸師の方は是非参考にしてください。

 

そして、船に乗っている鍼灸師以外の方は船酔いにならためにはどうしたらいいのかを知る良い機会ですので”予防の仕方”を是非とも学んでいってください。




以下本題

船上鍼灸師が経験出来て、陸の鍼灸師が経験出来ない治療の一つに

”船酔い治療”があります。

 

一つというより唯一といったほ方が正しいかもしれません。

船酔いは、症状だけ見れば乗り物酔いと変わらないし、
発生機序も変わらないし、
というか船に乗っている時に起こるから船酔いと名前がついてますが、
結局のところ乗り物酔いと同じです。

ちなみに英語では船酔いのことを"Sea Sickness"
乗り物酔いのことを"Motion Sickness"と言います。

船の揺れが、車の揺れが、電車の揺れが、もしかしたらエレベーターの揺れが、
原因となって症状が起こります。

おいおいおい、エレベーターって(笑)と思った方、

これは大げさな表現ではないですよ。

 


現に僕は以前、エレベーターに乗るたびに気持ち悪くなってました。

船酔い、乗り物酔い

これは経験したことのない人にはどんなものかあまり分からないかもしれませんが、
体験したことがある人、
特にひどい船酔いになったことのある人からすると”最悪な体験”だったと言えるでしょう。
例えるならば吐いても気分が良くならない二日酔いと言ったところでしょうか。

ええ、僕も経験しました。

船に乗ってからの初めの2か月はほぼ毎週のように船酔いになっていました。

昔から乗り物酔いにはよくなる方で、
車の中で本を読めばものの数分で気持ち悪くなってました。

たとえ本を読んでいなくても長時間車に乗るときは大抵気持ち悪くなるので、
だいたい走り出したらすぐ寝ていました。
そのせいか乗り物に乗ると今でもすぐ眠くなります。
自分で車を運転する分には問題ないんですけどね。

そんな僕だからこそ船酔いについて語るのに適していると言えるのかもしれません。




さて、
船酔いですが、

この船酔い、

たとえ患者さんが船酔いになったと言ってもその症状は毎回同じではないです。

 

 

一般的な船酔いの症状は、悪心・嘔気(吐き気)、めまい、頭痛が挙げられます。
それがさらに悪化すれば、嘔吐、寒気からくる体の震え、平衡感覚の失調と続き、
果ては歩行困難となり、横になって休むことすら辛い状況になります。

普通に呼吸することすら困難であの気分の悪さといったら最悪の一言に尽きるでしょう。

船酔いが悪化して顔の血の気が引き、ぐったりとした状態まで行くと鍼治療では対応できず、点滴治療が必要になることさえあります。



船酔いが最悪の状態になってそれを放置すれば死ぬことすらあるでしょう。

悪化すればそれくらい悪い状態になるのでもはや船旅を楽しむどころではありません。

吐き気があれば食事を楽しむことも出来ないし、
ショーや映画を楽しむことも出来ないし、
ずっと寝て過ごすことになります。


今まで出会ったゲストの中には、以前の船旅は5日間ずっと船酔いで全く楽しめなかったなんて人もいました。

考えるだけでも最悪な旅ですね。

車酔いであれば車を降りて休憩すればだんだんよくなりますが、
船は航海中は途中で降りることはできません。

いくら船酔いがキツイからって船から飛び降りたら十中八九死にます。


たとえ港に止まってる間は大丈夫でも船が動き出せば症状はまたやってきます。
車酔いになりやすい人からすれば船旅は、
船酔いになる恐怖から気軽に行きづらいものだったりします。

そんな人は予防のために酔い止めの薬を船に乗ってる間に飲んだりするのですが、
酔い止めは副作用で眠気を引き起こすので薬を飲んだおかげで船酔いにはならないけど1日中眠くて部屋で大半の時間を寝て過ごして船旅をあまり楽しめなかったなんてことが起こったりします。

たとえ症状が酷くなくたって、なんだか胃がもやもやして船が航海中の時は好きなように食べたいものが食べられないなんてこともあります。



そんな船酔いを治療するのにも予防するのにも効果的なのが”鍼治療”です。


あまり知られてないかもしれないですけど、
鍼治療は船酔いに対して絶大な効果を発揮します。

漢方も組み合わせればさらに良い効果を発揮します。
実際に今まで100を超える船酔い治療をして効果を上げて来ました。


症状の酷いものでは、寒気がして震えが止まらず一人で立つことも歩くことも出来ず嘔気と頭痛から横になって休むことすら辛い状態の患者さんを治したこともあります。

まあ、そんなに酷い症状なら鍼治療を受けに来ないでメディカルセンターに行った方がいいんじゃないかと思ったりもしましたが、頼られれば手に負えないものじゃない限り治療をするのが鍼灸師としてのプライド。ということで治療しました。
ちゃんと治ったので良かったです。

もちろん本当にヤバイなと思ったら治療をせずに船のメディカルセンターに送るのが鉄則です。

治療に使うツボは、症状によって異なります。
なので船酔いだからこのツボを使っておけばいいという簡単なものではありません。

ですが、

症状の軽いもの、症状の出始めのものであれば、耳のツボに置き鍼をすればだいたいすぐよくなります。
さっきまで気持ち悪かったのが嘘のように気分が良くなります。

そのツボが、耳にある”内耳”と”胃”と”神門"という3つのツボです。

ここに置き鍼をしておけばそれで船酔いの予防になります。

船には”Sea Sicknessバンド”というリストバンドがショップで売られていますが、

これは前腕にある”内関”というツボに刺激を与えるもので、

この”内関”というツボは吐き気や胸のむかつき、胃痛などに即効性があるツボです。

なので症状が出始めた時には良い効果を発揮しますし、
そこに刺激を入れていれば予防にもなります。

Sea Sicknessバンドじゃなく、ここに置き鍼するのでも同じ効果を発揮します。
むしろこのバンドは鍼治療がすごく効くからってことで作られたんですけど。


しかし、このバンド、
悪心・嘔気といった船酔いの症状には効くのですが、
めまいや頭痛という船酔いの症状にはあまり効果が出ません。

なのでこのSea Sicknessバンドを買って腕につけたけど効果がなかったなんてことが起こったりします。
まあ、正しい場所につけてないことが効果が出なかった理由ってこともあるんですけど。

ツボの位置は1センチずれたら効果が出ないですからね。
ちなみに鍼灸師はミリ単位でツボの位置を探り、鍼を刺します。

じゃあ、めまいや頭痛の症状を緩和するにはどうすればいいの?
ってなるかと思いますが、

 

答えを書く前にそもそもなぜ船酔いになるのかというメカニズムから説明していきます。

なぜなら、

カニズムが解れば船酔いを予防することが出来るからです。


医学にとって一番大切なのは予防です。
治療は予防を出来なかった時の対処法であり、
選択肢としては下の下の方法だと僕は思っています。


僕が患者さんにいつも言っているのは、
「なぜ自分にその症状が起こっているのかを考えなさい」
ということ。

それは誰のせいでもなく自分がちゃんと予防をしなかったから起こったことなんだと。
「たとえ僕が今ここであなたの症状を治したとしてもなんでそれが起こったのかを知らなければまた同じ症状に苦しめられることになるかもしれないよ。」ということです。

 


全ての物事には理由がある。

病気になったのは誰のせいでもなく自分のせいなのだと思って、
自分自身と向き合う良い機会だと思って、
自分の生活を見つめ直す良い機会だと思って病気と向き合いましょう。

というのが僕の治療家としてのスタンスです。


なので船酔いになった患者さんにはなぜあなたが船酔いになったのかということをいつも話しています。






さて、船酔いのメカニズムについてですが、

船酔いは大きく分けて2種類あるということからお話ししましょう。

一つは、悪心・嘔吐といったお腹に症状が出るもの。
もう一つが、めまいや頭痛といった頭部に症状が出るものです。

これらは同時に出ることもありますが、片方だけのことの方が多いです。

多いのは、腹部症状の方です。


僕の治療経験からするとだいたい6割くらいが腹部症状のみ。
3割が両方で、1割が頭部症状のみといった具合です。


症状が違えば原因も違います。

きっかけとなるのは両方とも船の揺れということに変わりはないのですが、
船の揺れはトリガーでしかなく、元々の体の状態が船酔いになるかならないかに大きく関わってきます。

だから同じ船に乗っていても船酔いになる人とならない人が出てくるのです。
船酔いは簡単に言えば脳の錯覚によって引き起こされます。



どういうことか順を追って説明していきます。

船が揺れることで耳の中にある三半規管が揺れを感じます。
(三半規管とは、体のバランスを感じ取る器官でこの器官があるおかげで僕たちは立って歩くことが出来ます)
そのシグナルは脳へと送られます。

しかし、船ごと揺れているので視覚では景色の揺れは確認することが出来ません。

視覚から入る情報では自分が居る部屋が揺れているわけではないので目からのシグナルでは揺れているという情報は送られません。
なので脳に目と三半規管から相対する異なった情報が送られてくることで脳は混乱します。

船の揺れが大きくなればなるほどその情報の不一致具合もでかくなるので脳はさらに混乱をします。
そして脳から内臓へと神経を通してその混乱が伝わります。

この時にあなたの内臓の状態が良ければ問題はありません。

ちょっとやそっとの刺激では丈夫な内臓は悪心や吐き気といった症状を発症しません。
ですが、内臓の調子が悪ければその分過敏になるので脳の混乱の影響を受けて内臓が反応し、

結果船酔いが起こります。

 



内臓の状態は普段の食生活が大きく関わっていますし、
船で何を食べたかによっても影響を受けます。

クルーの間で一般に常識として知られている情報だと、
水の飲み過ぎやご飯の食べすぎは船酔いになりやすくなる。

そして、グリーンアップルやジンジャーを食べると船酔いに効く。
といったところでしょうか。

お酒を飲むと船酔いが良くなるという情報を信じて朝からビールをあおって酔っ払ってテンションが高い状態で仕事に来ていたマッサージセラピストがいたなんていうこともスパの友達から聞きましたが、

あながちこれも間違ってはいません。

なぜならアルコールは体から水分を抜く働きがあるので、
余計な水を内臓(特に胃)から抜くことで船酔いに効果を上げることが出来ます。
だからと言ってお酒をずっと飲んでいれば次には二日酔いが待ってますけどね。



結局のところ船酔いになるかどうかは内臓の状態と普段何を食べているのか次第なので、
突き放して言えば船酔いになったのは自分のせいだということですね。

それがわかってても船酔いに苦しんでる患者さんにさらに追い打ちをかけることは言わないで、症状を取った後にどんな食事をするればいいのかの指導をして遠回しに内臓の状態を良くすることを勧めて治療を終えてますが、

スパの同僚には厳しく食生活を改善せいっ!と言ってます。



しかし、これは腹部症状の船酔いの話で、
頭部症状の船酔いは原因が違います。

めまいや頭痛といった船酔いの症状は、頸部の筋肉の張りから起こります。
これは船酔いに限った話ではなく、一般的なめまいの症状や頭痛の症状でも同じことが言えます。

首の筋肉が張っていることにより、首の動きに制限が出ます。

首の筋肉は頭の骨に付いているので首が張っていればその分船の揺れがダイレクトに頭へと伝わります。
首の筋肉が緩んでいれば、首の柔軟性により揺れが軽減されるので三半規管で感じる揺れ具合も変わります。

先ほど三半規管の話をしましたが、ここでも登場します。

結局のところは船酔いは”揺れ”から起こっているので体の揺れを感知するこの器官が影響しています。

この三半規管は耳の中にあります。
そして耳小骨という小さな骨と繋がっています。

耳小骨は鼓膜、外耳道と耳朶を介して頭部と頸部の筋肉と繋がってますので首が張って頭の動きが制限されれば、耳小骨への刺激の入力が増え、三半規管で感じる揺れが大きくなります。

簡単に言うと、
首の筋肉の張りがあることで三半規管が狂い、結果めまいが引き起こされると単純に考えてもらえればいいかと思います。



つまり、

船酔いの治療をする際に頭痛やめまいの症状が強い場合は首の治療が、
悪心・嘔吐といった腹部症状が強い場合は内臓治療が焦点となります。

 


内臓の状態、特に胃の状態が悪いと首の筋肉(特に胸鎖乳突筋)に筋緊張が出るので、
腹部症状と頭部症状の両方が出ている患者さんの治療の際に大事なのは内臓治療になります。


内臓治療をすれば、両症状が取れることがほとんどですが、たまに首の張りが強く残ってる場合があり、その場合は首の筋肉の張りを取る治療が大切になります。



めまいや頭痛の症状を緩和するにはどうすればいいの?
という先ほどの質問の答えに戻りますが、

めまいや頭痛の船酔いの症状のみが出ている時は首のマッサージをしたり、首を温めて筋肉を緩めてあげると症状が良くなりますので、もし船酔いで頭部症状のみが出ている方はお試しください。


船酔いの症状が悪化すると寒気がして体の震えが起こってくるのですが、
そのことから考えても船酔いの症状を悪化させないためには体を温めることが大切です。
なので、お腹の調子が良くない人は船では冷たい飲み物を飲んだり、体を冷やす食べ物はなるべく避けるべきでしょう。

 

ちなみにですが、
今まで船酔いを治療してきて、腹部症状があった患者さんのお腹を触るといつもとても冷えていました。

自分が船酔いになった時はお腹に手を当てて温めると気持ち悪さが少し和らぎました。
なので、もし、船酔いになってしまったらお腹を温めてあげましょう。


まあ、その前に船酔いにならないように体調管理をしっかりしてください。

 






ここからの内容は鍼灸師向けになります。

なので、鍼灸治療をしない方にはわかりにくい、
と言うかわからない内容かもしれませんので飛ばしてもらっていいかと思います。
鍼灸師以外の方向けの船酔いについてのこぼれ話は次回の記事でお送りしますので記事を読むのはここまででもいいかと思います。

 

もちろん、鍼灸師じゃなくても鍼灸に興味がある方にとっては興味深い内容かと思いますので、
興味本位に読んでみるのもいいかと思いますよ。

 

船酔いを治療する際、僕が必ずチェックするポイントがいくつかあります。

それは、脈と腹部の温度、そして、胃の反応(中脘の反応)、首の張りです。

船酔いの脈は、ほとんどの場合が滑脈で数脈です。そして沈脈であることも多いです。
お腹はとても冷えていて、中脘あたりに硬結があり、そこを押すととても気持ち悪く感じます。

吐き気を催している方の場合は中脘を強く押すと本当に苦しく感じるので、腹診をする際は強く押さないようにしてあげてください。

めまいや頭痛といった症状がなければ首の張りがないこともありますが、
胃に症状が出れば胸鎖乳突筋が張ってくるので、首の張りがあることも多いです。


めまいや頭痛があれば必ず首に張りが出ます。

船酔いを治療する方法は大きく分けて2種類あるかと思います。

一つは症状に対しての治療。
いわゆる対処療法ですが、ひどい船酔いの場合はこの対処療法がとても大事になりますので見くびるわけにはいきません。

日本人鍼灸師鍼灸の対処療法に対してあまり良いイメージを持ってないかもしれませんが(これは僕の勝手な思い込みかもしれません)、船に乗らなければ船酔いにはならないので、クルーズの間対処療法で乗り切れば陸に降りた後は船酔いにはならないので対処療法でも問題はないし、患者さんはそれで十分ハッピーかと思います。


もう一つは言わずもがな根本治療です。

カニズムの考察で述べた通り、船酔いの原因は内臓の状態が悪いことです。

つまり、体を根本から変え、内臓を強くする治療、
言い換えれば体質改善をする治療で船酔いを治します。



対処療法では、症状に対して取穴をします。
悪心・嘔気に対して有効なのが、”内関”と”公孫”

八脈交会穴のツボですね。
軽い症状の船酔いであれば、この2穴に雀啄と15分ほどの置鍼で症状は消失します。

僕はあまり使いませんが、友達の鍼灸師によると左腕の”列缼”も効果的だそうですよ。

 

滑脈からもわかるように船酔いは体内の湿が関係してますので”豊隆”で湿を取り除くのも効果的です。

僕は腹部の刺鍼をほとんどしないのでやりませんが、
中脘の硬結に対して直接刺鍼をするのも症状を取り除くのには良いかと思います。

そして、先にもあげましたが耳のツボですね。

耳の”胃”、”内耳”、”神門”への刺鍼も症状を取るのに効果的です。

 

しかし、
ひどくなった船酔いにはこれだけでは足りない場合があります。
その際は上記の取穴に加え、”合谷”と”尺沢”、”中封”を加えます。
”太衝”を加えるのも良いかと思います。

 

めまいや頭痛が主訴の船酔いに対しては、
”合谷”、”解渓”、”完骨”、”攅竹”、”魚腰”、”後渓”から選んで使います。

僕は首のマッサージを一緒にすることが多いですが、
大体上記のツボで症状が取れます。


根本治療の場合は、内臓の状態を改善することを目的としますので、
船酔いの症状より僕の場合は腹診の結果を重視して取穴を決めますので毎回同じ取穴にはなりません。

ですが、必ず使うツボはありますので、
ここでは体質改善の際に僕が使うツボを記載しておきます。


内臓の状態を整える際に僕が必ず使うのは、”印堂”です。


このツボはあらゆる腹部症状に効果を出せるツボです。
事実このツボだけで船酔いや腹痛、二日酔い、腹部膨満感、胸のつかえなどの症状を取り除いて来ました。

なぜ印堂なのかを説明すると長くなるので省略しますが、
このツボは内臓治療に対してとても重要なツボだと言えます。


他に必ずと言っていいほど使うのが、
”尺沢”と”中封”の組み合わせと
”太衝”と”公孫”
脈診の反応によって変わりますが、
”列缼”や”照海”、”兪府”なども良く使います。


僕はあまり使いませんが、

”三陰交”や”足三里”も良い選択肢かと思います。


僕の治療スタイルは、長野式やキーコスタイルの流れをくんでいますので、
もっと詳しい内容を知りたい方は、長野潔氏の著書を読んでいただくのが良いかと思います。



最後に船酔いを治療する際のポイントとして患者さんの寝かせ方を少しお話しします。

船酔いの患者さんは横になるのが辛いです。

経験したことがある人は分ると思いますが、座位が一番楽な姿勢です。
なので症状がひどい時は座位で治療を始め、

症状が良くなってきたらベッドにタオルや枕を重ねて上半身を起こす形で仰臥位に寝かせます。

大体30度から45度くらい上半身を起こしてあげるのが良いかと思います。

そして、患者さんの手のひらを中脘あたり乗せてあげると手のひらの温度でお腹を温めることが出来ます。
ヒートマットレスが使える場合は背中の下にひいて体を温めてあげると良いでしょう。

体温が上がるだけでも悪心・嘔気は楽になります。

漢方は二陳湯がとても効果的です。

結局のところ船酔いは食生活が大きく関わっていますので、
僕の場合は治療の終わりに食事指導をして治療を締めます。

船酔い防止のための食生活については次回、

自分の体験談を含めてご紹介しますのでそちらを参考にしてください。
船に乗れば多かれ少なかれ治療をすることになる船酔い治療。

今後船に乗って働こうと思っている鍼灸師の方は是非今回の記事を参考にしてくださいね。

MITS

 

豪華客船以外の事は別のブログで書いてます。

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豪華客船から見える未来の世界の可能性

共通言語が英語の職場
それが豪華客船

 

中にはドイツやフランスに属するクルーズ客船もあるのでそう言った客船ではドイツ語やフランス語が船内で話される言葉になります。

日本でも飛鳥Ⅱというクルーズ客船が運航してます。スタッフには日本人が多いので日本語でクルーズを楽しむ事が出来ます。

 

しかし、こういった客船は大体小さなクルーズ会社の船ですので大きさは小さく、乗客が500人以下のものが多いです。


鍼灸師が乗るような豪華客船はすべて大きなクルーズ会社に属しています。


クルーは20カ国以上、時には50カ国以上から集まる船に乗る事もあります。

乗客は小さいものでは700人程度ですが、
大きいものでは4000人を超え、
最大のものでは約7000人まで膨れ上がります。
乗員も合わせると約1万人です。


共通言語は英語ではありますが、
たくさんの人種、文化が共存している環境が豪華客船と言えます。

文化が違えば考え方の元になるものが違います。
考え方が違えば対立や拒絶が起きやすくなる事は想像に難くないでしょう。


では、豪華客船の中でさまざまな対立が生まれ、
さまざまなグループが生まれ、
クルーは出身国で固まって交流があまり無いのか?

 

そんなことはありません。
確かに同郷のものと一緒に過ごす人が多いですし、時には対立が起こる事もありますが、それと関係なくさまざまな国の人々が家族のように仲良くなって行くのが豪華客船という環境です。


グループになりやすい組み合わせは確かに存在します。


アジアの人々
ヨーロッパの人々
アフリカの人々
スペイン語圏の人々

と言った感じで行動を共にするグループが出来る事が多いですが、
それよりも働いている職場の同僚でグループが出来る割合の方が高いです。

 

何人だからと人種差別をし、人を見下す人は船にはいません。
たとえ何人だろうと対等に接する事が出来る人達が船で働いています。


それはもともとそういう人が母国を出やすいというのもあるかと思いますが、
それよりも客船の環境が偏見を無くすのに大きな影響を与えているように思います。

 

今の世界情勢を見ていると多くの国や地域が
これまでのグローバルな社会の形成から逆行し、自国第一の主義へと移行しています。

自国のアイデンティティや文化が失われて行くことへの抵抗の現れの結果だと思います。


しかし、これは時に対立を
そして、新たな戦争を生む道となってしまうかもしれません。

事実、大きな戦争の機運は高まり続けています。


戦争を根絶し、見せかけではない平和な日々を世界中の人々が送れる日は来るのでしょうか。

もし、それが来るとして、
いったいそれはどんな形になるのでしょうか?

 

政治家や評論家が言う妥協案の1つに大国が核兵器を持ち互いに抑止力になる事で戦争が無い世界を保つ事が出来るというものがあります。

第2時世界大戦以降大きな戦争が起きていないのは核兵器という地球を滅ぼしかねない武器を大国同士が持っているからでしょう。


北朝鮮核兵器の実験を繰り返し続けている以上、日本も核兵器を持つべきなのではないかという議論をする事も大切かと思います。

 


しかし、それは所詮妥協案であって、
真の世界平和への道ではないように思います。


何が正解かは僕にはわかりません。
しかし諦めず考え続ける事が大切なのではないでしょうか。

 

僕には豪華客船の中のクルーの生活がそのヒントになり得るのではないかと考えています。

 

多くのクルーはそんな事を考える事もなく自分の仕事を全うし、ゲストがクルーズ旅行を楽しむ為にどうしたら良いかを考え、またはどうやって売り上げを上げるかを考え、会社はサービスの向上の為のシステム作りやクルーのトレーニングを行っています。

 

豪華客船の生活から世界平和のヒントを考えている人間は僕以外居ないのかもしれません。

 

 

僕は多人種多文化が共存し共通言語で生活をする豪華客船という環境は1つの答えに到達しうるモデルになるのではないかと考えています。

 


豪華客船という環境に適応して行くクルーの特徴は、オープンマインドであること、他文化を理解出来なくても受け入れること、自国以外の祝祭日を一緒に楽しめること、他人と対等に接することが出来ること、なんでも挑戦してみることなどが挙げられます。

 

そして、すべての物事の中にリスペクトがあり、
規律を持ってクルーは生活をしています。


規律を守らないクルーはクビになる事もあります。


なぜ、さまざまな国から集まっている人々が同じ規律を守って生活していけるのか。

それはひとえに船に乗ってすぐと定期的にトレーニングが行われているからだと僕は思います。


つまり理念と規律を植え付ける教育です。


国を発展させるのにも
会社を成長させるのにも
重要なことは教育です。


教育がしっかりしておらず、
理念と規律が定まらなければ組織は立ち行かなくなるでしょう。

 

僕は今まで4つのクルーズ会社で働いて来ました。
会社が違えばトレーニング内容も違います。
ですが、どのクルーズ会社にも共通しているものがあります。


それは相手を尊重する事、そして助け合う事。


もちろんそれ以外にも似通っているものがありますが、
相手をリスペクトする事が船で生活する上でとても重要になっています。

 

 

豪華客船という環境は、短くまとめると、
各国の人々が自国のアイデンティティを保ちながら他国の文化を受け入れ、共通言語である英語を話しながらさまざまな国の単語も同時に使い、互いに尊重し、共同生活を送る場所です。

 


真にグローバルな環境だと言える事が出来ます。

そんな豪華客船の環境から学べることは多いのではないでしょうか。

 

今までの記事では仕事の事について、
鍼灸師の立場から豪華客船のことを書いて来ましたが、

それ以外に人として学び、成長出来る環境であるという事をもっと多くの人に知ってもらい、
世界を知り、見識を広げ、人間性を成長させる為に豪華客船という環境を選択する人が増えたら良いなという想いを込めて今回の記事を書きました。


また、現在クルーズ客船で働いている人が、
今までとは違った視点から船の生活を見つめ今後の世界の事を考えてくれたら嬉しいです。


MITS

 

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豪華客船を降りた後の就職先について

海外で働くことを考える鍼灸師にとって、
豪華客船で働く事は1つの手段と言えるでしょう。

 

今までの記事でずっと言ってきた通り、
僕は豪華客船という職場で働く事をゴールにするのではなく、
自分の目標に辿り着くためのゴールにして欲しいと思ってます。


そこで今回は、豪華客船で実際に働いた鍼灸師が船で働く事を辞めた後にどんな道があるのか、
そして僕個人が船を辞めた後どのような道へ進もうと考えているのかについて書いて行きます。

 


前回の記事で書いた通り、
豪華客船という職場は様々な疾患を治療する機会を得る事が出来、鍼灸師としても人としても成長する事が出来ます。

 

前回記事

shipacu.hatenablog.com

 

 

 

そんな僕達船上鍼灸師が選ぶ道は様々です。

おそらく1番多いのは母国へ帰って、
自分の治療院を開くという道。

たくさんの国や港を周ってきた経験と船上で働いていた経験を活かし、
他の治療院との違いを明確にして働いて行くというのが一般的かと思います。


豪華客船で働いてました!
と言えば、ミーハーな人からすれば興味を抱きやすいでしょうし、
英語が出来るので外国人相手に商売をする道が大きく開けるでしょう。


船で働いていた日本人鍼灸師の中には、
観光地にあるホテルで鍼灸師として外国人相手に治療をしたり、
スキーリゾートで治療をしたりする方もいます。

 

やはり、英語で働いていたという経験は、
そういった場所でこそ活かせるように思います。


他には、日本の大学の付属病院で働いたり、
日本の大学に進学して研究の道へ進んだ方もいます。
船とはまったく違う環境での新たなチャレンジですね。

 

数はあまり多くないですが、
海外へ移住し鍼灸治療を行なっている元船上鍼灸師の方もいます。


イギリス、スペイン、メキシコ、ニュージーランドでは日本の資格を持っていれば比較的簡単に鍼灸治療が出来るのでそういった国で働いている友人がいます。
もちろんビザを取れる事が前提になりますので誰でもすぐに行けるわけではありませんが。

 

 

日本人鍼灸師にはまだ居ないと思いますが、

治療家からコンサルタント、マネージャー業へ転身する方もいます。

ちなみに僕の会社の鍼灸のボスも以前は、船乗り鍼灸師として現場で働いていた方々です。

今はもうほとんど治療はしていないそうですが、

代わりに世界中を飛び回っています。

 

 

また、さまざまな治療経験を活かし、

母国の大学で鍼灸の授業を受け持っている鍼灸師の方もいます。

自分の先生が豪華客船で働いていたとなると聞ける話がたくさんあり、

学生さんにとっては嬉しい存在になるのかなと思います。

 

 

その他の選択肢としてあげられるのが、
船で出会った人と結婚をしてパートナーの国へ移住するという道

 

これは自分でやろうと思って出来るものではなく、船での出逢い、運の要素が大きいですが、
船で出逢い結婚まで行ったカップルは意外と居ますので無くはない可能性ではあります。

彼ら彼女らがこれからどんな道を進んで行くのかは個人的に興味を持って見ています。
何故なら大半の結婚して移住した方は移住先で鍼灸をやっていませんので。

ずっと鍼灸師として生きて行こうと思っている自分にとってはなかなか取り得ない道ですし。

 


他の道としては、
日本に帰った後、鍼灸とはまったく関係の無い会社に就職して別の仕事をしている元船上鍼灸師の方もいます。

道は人それぞれです。

 

僕は今まで治療の事や鍼灸師の事をメインに記事を書いてきましたが、
豪華客船で働く大きなメリットの1つは鍼灸以外の、治療以外の仕事に触れる機会があることで、
他業種と触れ合える事だと思っています。


なので、船上鍼灸師が船を辞めた後に鍼灸以外の仕事をする事に対してポジティブな考えを僕は持っています。


むしろ、今後鍼灸師は、鍼灸以外の仕事もして行くのが良いのではないかと考えています。

 


そのステップとして豪華客船で働くのは良い選択肢だと僕は思います。
客船ではさまざまな繋がりが出来ます。
その中から将来進む道が新たに開ける事もあります。

 

ただ豪華客船という舞台に憧れて船に乗る決断をしても良いとは思いますが、
それだと現実に叩きのめされて終わりに
船に乗った事を後悔して終わる事になる気がしてなりません。

 


なので、
もっと大きな展望のステップとして豪華客船に乗る鍼灸師が増えてくれたらなと思います。

 


今後日本の鍼灸業界発展の為には若手鍼灸師の海外進出、
そして海外からの、もしくは帰国してから業界の為に活動して行く事が不可欠だと僕は思っています。


日本に失望して海外へ出るのではなく、
日本を良くする為に海外へ進出してその知識と技術を持ち帰る貪欲さが今の日本鍼灸業界を含めすべての業種に必要だと思っています。

 

明治維新を起こしたかつての先人達のように。


自分の事が第1ではありますが、
業界の事を考え行動出来る若手鍼灸師が1人でも多く海外へ進出して行ってくれればと個人的には思っています。


その第1歩として豪華客船という選択肢はとても魅力的なのではないかと思います。

 

 

そういうMITSは今後どうするのかという事を少々書いておこうと思います。

 

僕は、あと1度客船に乗ろうと考えています。
それでとりあえず船で働く事を辞めにするつもりです。

 

 

そして新たなチャレンジをしようと。
まだ確定ではないですが、
船を降りた後はニュージーランドへ移住する予定です。

 

そこで鍼灸師として働きながら永住権の取得を目指します。
また、スポーツ業界へ戻ろうと考えています。
以前は鍼灸師兼トレーナーという形でアメフトチームで働いていましたが、
今度は鍼灸師としてチームに入って行く道を模索するつもりです。

NZといえばラグビー
ラグビーといえばオールブラックス


頂天まで行けたら良いなと考えてます。
とりあえずやるだけやってみるつもりです。


あとは、ニュージーランド鍼灸発展に努めて行きたいと思っています。
何故NZなのかというと
その土地に惚れ、人々の良さに触れ、
この国の為だったら頑張れるなと思ったからです。


ゆくゆくはNZの国家資格の制定などにも関わって行けたらなんて考えてもいます。

 

そして、NZの鍼灸と日本鍼灸を結ぶ架け橋になれればと。

今の日本鍼灸業界は中からだけでは変えられません。日本という国自体がそうなのかもしれません。
だからこそ外から変える手伝いをする人が必要です。
僕はそれになろうと思います。

 


あとは、全く別の道になりますが、
研究者の道を進もうと考えています。

すぐにと言うわけではありませんが、
40歳くらいから研究どっぷりな世界に身を置けたらと思っています。
場所はどこでになるかは全くわかりませんが、
とりあえず日本以外の国でやろうとは考えています。

 

きっと豪華客船に乗らなければこのように考える事はなかったでしょう。

クルーズという舞台は間違いなく僕の人生の転機となるきっかけを与えてくれた場所です。

 

船に乗れば考える時間と
イデアのヒントになる事柄がたくさんあります。

 


日本人鍼灸師としてではなく、
地球に住む1人の人間の視点で世界を見る事が出来れば、
豪華客船という職場の先の可能性は大きく広がる事でしょう。


こんな考えもあるんだと頭の片隅に置いて、
別の角度で船上鍼灸師という仕事を考えてみてもらえればと思います。

 

豪華客船という選択肢は間違いなく人生を大きく変え得る選択肢です。


それを念頭に今後の進む道を考えてみてください。


MITS

 

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豪華客船ではどんな疾患を治療する?僕が治療してきた症状まとめ

鍼灸師としてクルーズ船に乗り、

今までの2500人を超えるゲストを治療して来ました。

 

治療をしなかったコンサルテーションで診たゲスト数も合わせれば4000人を超えます。

 

 


1か月の治療数は、乗ってる船によって忙しさが違うので変わって来ますが、
僕の場合は暇な月で大体200
忙しい月だと300を超えるくらいになります。

1番忙しかった時は1週間で100治療以上してました。

 

 

 

よく来る症状は、痛み系の疾患
特に腰痛、膝痛が多いです。

 

全体の約6-7割が痛み系の疾患になります。


スポーツ現場や接骨院などと違う点は、
急性疾患はほとんど無く、
9割方が慢性疾患です。

 

まあ、急性疾患に掛かってたらそもそもクルーズに乗って来ないですし、
もし怪我をしたり緊急を要する症状は、SPAでは対応せずに船にあるメディカルセンターの医師の元にみな大体行きますからね。


それでもごく稀に来ますので、
しっかりとした鑑別が出来なくてはなりません。

 

 


一件あったのが、
指の感染症

 

パナマ運河クルーズをしていた時のゲストで、
マッサージを受けに来てた方が指が赤く腫れて少し痛いと。

始めはマッサージセラピストがMITSだったら症状を緩和出来るからと勧めてコンサルテーションという形でこのゲストの症状を診させて頂きました。


指を診たところ、
これはちょっと危ないやつだなと判断し、
船にあるメディカルセンターに行ってもらいました。

 

僕のことを気に入ってくれて、
あなたの治療が受けたい、なんなら今すぐにでもと言ってくれたのですが、

とりあえず、メディカルセンターの医師に見せてなんともなかったらまた後で戻って来て。そしたら治療してあげるから。
と伝え、その場では治療はしませんでした。

 

メディカルセンターの医師と数日後食堂で会った時にそのゲストの事を聞いたら、
重度の感染症で、あと2、3日遅れてたらおそらく指を切断しないといけなかったと、
ナイス判断、メディカルセンターにゲストを送ってくれてありがとうと言われました。


このゲストは痛みをあまり感じてなかったのもあり、僕が診た時はすでに指の感染症発症から2日が経っていました。


クルーズもまだ半ばで終わりまで1週間以上あったので、もしかしたら手遅れになってたかもしれません。
大した事ないと勝手に判断してお金がかかるメディカルセンターに行かない人も居ますからね。

 

 

 

クルーズ船では鍼灸師は、
ドクターという立場になりますので、
こういった判断がしっかり出来なければなりません。

そもそもプロフェッショナルとしては当たり前の事ですが、
客船に乗ろうと考えてる鍼灸師の方は、
治療をして良いのか、するべきではないのかの判断がちゃんと出来るだけの知識と診察法を身に付けておいてください。

 


まあ、こんなケースは本当に稀なのでほとんど起こりませんが。

 


船の上特有の疾患は、船酔い。


ふと疑問に思ったのですが、
鍼治療が船酔いにとても効果的だと知っている人はどのくらいいるのでしょうか。


そもそも、どうすれば船酔いを治せるのか、
そして予防できるのかを日本の鍼灸師の方々は知っているのでしょうか。

 


僕は船に乗る前から知ってたんですけど。

 

 

 

 

 

Anyway
(この単語、話題を変える時に使いやすいので結構僕はよく使います)

 

 


痛み疾患が全体の6-7割を占めるということは、
逆に言えば痛み以外の疾患が全体の3-4割来るという事です。


つまりですね、
豪華客船で働く鍼灸師は整形外科的疾患だけしか治療が出来ないなんて論外ということになります。

 

 

 


個人的には、慢性的な痛み疾患は簡単な問題だと思っています。

解剖学の知識がしっかりあって、
身体の繋がりを理解していて、
姿勢や動作分析が出来て、
それに対する鍼や徒手療法のすべを持っていれば、9割5分の痛み疾患は初回の治療で緩和、もしくは痛みを完全に取り除くことができます。

5年、10年モノの慢性疾患でも7daysクルーズであればほとんどの場合、痛みを完全に取り除き、可動域の改善までもって行くことが僕は出来ています。

 

 

 

そんな中で、僕が最近1番力を入れているのが、
内科疾患への治療


たまに難治疾患の方が治療を受けに来ます。
パーキンソン病とか
MSとか
ALSとか


内科疾患で多いのは、
過敏性大腸炎、慢性膀胱炎、逆流性食道炎


原因不明の病気やガン患者さんも来たりします。

 

 

 

そして、意外と多いのが睡眠障害

 

睡眠障害を主訴として来る患者数はあまり多くないですが、
睡眠障害も持っているというゲストは、
前回の7カ月の契約の時は全体に25%にもなりました。

 

これまた鍼灸がとても有効な疾患

睡眠障害に対しての治療がしっかり出来ると客船には向いているのかなと思います。

 


豪華客船では陸地で働くよりも多種多様な人種、
そして多種多様な疾患を診る機会に恵まれます。


つまり、それに対応出来る知識と技術レベルが求められるわけです。

 

 

まあ、僕が初めて船に乗ったのは22歳の時で、
その頃の自分にすべてに対応出来るほどの知識と技術があったのかと聞かれれば、
無かったと言わざるを得ないですが。

 


たくさん悔しい思いをしました。
助けられなかった患者さんがいました。
僕を信じて治療を受けてくれた患者さんを治すことが出来なかった事もありました。
良くなっても自分が出したいと思ってる程の効果を出す事が出来なかった事なんて数え切れないほどあります。
僕の治療を受けに来てくれるすべてのゲストをクルーズ中に完治させたい、家に帰った後にもう治療を必要としない状態まで持っていきたいと思っているのですが、
現実はなかなか難しいです。


最初の頃は治療が終わった後に症状が全然良くならないと、
吐き気を催すほど自分にムカついていました。

1日の終わりに自分の無力さに対する絶望感に押しつぶされそうになった事もありました。

 

 

そこで立ち止まらず、
なぜ良くならなかったのか、
何を見落としていたのかを考え、
次に同じような症状のゲストが来たら絶対治すんだと、
原因が分かるまで本を読んだりネットで調べたりして来ました。

 

おかげで今では9割5分以上のゲストに満足してもらえる治療が出来ています。


船で働き始めて4年、
会社の鍼灸のボスやクルーズラインのディレクター、
一緒に働いて来たすべてのSPAマネージャーや同僚からの信頼を得る事が出来ました。


ひとえにそれは立ち止まらずに自分と向き合って来たからだと思います。

 

これからも理想像を目指して一歩一歩治療家人生を歩み続けようと思います。

 


そんな僕がこれまで船で治療して来た疾患、症状を載せておきます。

 

船ではカルテを英語で書いてますので、
疾患、症状名が英語なのはご容赦ください。

 

 

abdominal cramp
abdominal pain
achilles tendon pain
aching body
acid Reflux
allergy
ankle pain
ankle swollen
anxiety
arm numbness
arm pain
arthritis
acid reflux
asthma
autoimmune disorder
back spasm
bell's palsy
bladder infection
bloating
blocked ear
blurred vision
bone spur
broken bone
bronchitis
bursitis
Calf pain
Cancer(history)
carpal tunnel
chronic fatigue
clotting disorders
Cold
compartment syndrome
constipation
COPD
cough
crohn's disease
Dimension
diabetes
diverticulitis
dizziness
drop foot
dry mouth
ear infection
ear pain
eating disorder
ED
edema
elbow pain
eye pain
face whiteness
fatigue
feet numbness
feet pain
fibromyalgia
finger numbness
finger pain
GERD
gout
groin pain
Hand numbness
hand pain
hand stiffness
headache/migraines
hearing lost/loss
heartburn
heart disease(history)
heart palpitation
heel pain
heel spur
hemorrhoid
herniated Disk
high blood pressure
hip pain
hives
hormone imbalance
hot flash
IBS
itchiness of ear
incontinence
infertility
insomnia
IT band pain
jaw pain
kidney disease
Knee pain
laby body dimension
leg numbness
leg pain
leg weakness
lose weight
lower back pain
lupus
lyme disease
lymphedema
Menial’s disease
menopause
middle back pain
MS
neck muscle spasm
Neck pain
Neck tightness
Nerve damage
Nerve system imbalance
Neuroma
neuropathy
No appetite
noise in head
Osteoporosis
Over active bladder
PAD
paralysis
Parkinson disease
Phantom pain
Pick's disease
pinch nerve
planter fasciitis
Polymyositis
poor balance
poor circulation
poor digestion
post poliomyelitis
Postnasal drip
Psoriasis
PTSD
quite smoking
recover from stroke
rest less leg syndrome
Rheumatoid arthritis
rib pain
rinitis
running nose
sacroiliitis
Sciatica
Scoliosis
sea sickness
Seasonal allergy
Sensitive eye
Shingles
Shoulder pain
sinus
skin rush
sleep disorder
snoring
spinal stenosis
spondylitis
Stiff ankle
Stiff man/person syndrom
stomach helmia
Stomach pain
stress
stroke
Suger addiction
swollen ankle
tendonitis
thumb pain
thyroid disease
TIA
Tinnitus
Tiredness
TMJ pain
Toe pain
tremor
trigeminal neuralgia
trigger finger
upper back pain
upper back tightness
UTI
vertigo
well being
wrist pain

 

数えてみた所、
疾患・症状の数は150を超えています。
痛み疾患は部位ごとに分けているので細かく鑑別すればもっと数が多くなるでしょう。


豪華客船とはこのような疾患・症状に対応出来る事が必要となる場所です。

 

間違いなく鍼灸師として成長出来る場所だと個人的には思います。


是非、20代30代の若い鍼灸師にどんどん挑戦して頂きたいです。


22歳の若造が飛び込んでなんとかなった世界です。

疾患・症状数の多さにビビらず是非とも飛び込んで来てください!

 


MITS

 

豪華客船以外の事は別のブログで書いてます。

この記事を書いてるMITSの考えをもっと知りたい方はこちらへ↓

Blog -I AM MITS- | MITS MATSUNAGA

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